作業療法では何してる?

作業療法士の濵宮です。

前回は、作業療法とは何か、について説明してみました。今回は、実際の作業療法では、どんなことが行われているのか、紹介していきます。

病院のリハビリ室、作業療法室には、作業療法で使用する様々な道具があります。基礎的な手の練習道具(ペグやボールなど)、日常生活動作を練習するための衣服や食事道具、応用的な活動で使用する傘、PC、掃除機、裁縫道具・・・そして調理練習を行うための台所! 革細工、籐細工、織り機や編み物、絵画、書道、園芸、木工道具、陶芸の釜まで!ある施設もあります。加えて、自助具と呼ばれる、身体機能を助けるための道具作成も作業療法では行うため、そのための材料や、手の装具の材料もあります。

例えば、脳梗塞で体の半分に麻痺症状が出ている方の作業療法ではどんなリハビリをするのでしょうか。筋肉や関節が動きやすい状態になるよう、直接身体にアプローチをすることはもちろんですが、それに加え、道具を使った作業活動を取り入れて、残された機能の改善、新たな機能の獲得を目指していきます。ペグを使用した手の練習、コップやお箸を使う練習、半身が不自由でもできる着替えの方法を練習したり、お風呂に安全に入る方法を練習したり。片方の身体が傾かないように座る練習には、塗り絵など短時間で終わる活動から、継続して行う編み物などを行ったり。歩くことができてくると、荷物を持って歩く練習や、実際に店で買い物を練習したりします。脳の機能の練習も行います。時間管理ができるように、時計やメモを使った練習や、お金の使い方、計算の仕方、PCの使用の練習なども行います。心の安定を目的に、手工芸などの作業活動の導入も行います。

作業療法では手工芸をよく用いますが、作業療法士は手工芸のプロではなく、それ自体を指導するわけではありません。作業療法士は、手工芸などの作業活動を用いて、対象の方の機能が改善していく方法を考え、環境を整え、セッティングします。その方がどこまでなら、集中が続くか、興味がつづくか、難しすぎないか、簡単すぎないかなど、評価して介入します。座って行う作業では、作業台の高さを調節したり、道具を握りやすいように持ち手を太くしたり、自助具を作って機械の操作ができるようにしたり、細かな工夫を行います。実際に作業はせず、作業を見るだけ、ということもあります。それでも、楽しく感じたり、気分が変わって、また今度リハビリに参加してみようかな、といった心の動きが起きることを期待しています。

訪問リハビリの作業療法場面では、基本動作、生活動作の練習をすることが多く、作業活動に焦点を当てることが少ないかもしれませんが、利用者様が興味ある作業活動、これまで行ってきた作業活動をお聞きしながら、アプローチしてきたいと考えています。